ビー玉を Looking Glass に入れるころがりうむを ELF-SR1 でも作った話

これは

ELFちゃん(ELF-SR1) Advent Calendar 2020 - Adventar の 9 日目です。


ELF-SR1 をお借りする機会に恵まれたので、これを作りました。


これは Looking Glass で作ったこちらを元にしています。


Looking Glass と ELF-SR1 はどちらも裸眼立体視ディスプレイですが、性質には少し違いがあり、向いているコンテンツもいくらか異なります。

とはいえせっかくなので ELF-SR1 ではどうなるのか作ってみることにします。

やったこと

とりあえず開発者ガイドをぜんぶ読みました。シーンのデザインガイドラインなどが日本語で簡潔にまとまっているのですぐ読めてよいですね。

部屋をこの箱を目安に配置調整していきます。

(画像は https://www.sony.net/Products/Developer-Spatial-Reality-display/jp/develop/Design/Scene.html より)

箱に納めたほうが「多くの人に見やすく自然」とのことですが、奥行きはちょっと多めにとることにしました。奥が割ときれいに描画できるのも ELF-SR1 のいいところですね。奥に窓をつけて遠景の山でも表示したら、もっと良さを引き出せたかもしれません。


今回はプロトみたいなものなので、ダンボールで筐体をやっていきます。50 万円とのコントラストが絶妙ですね。はじめ天井は手前いっぱいまで作りましたが、下方向のトラッキングに影響が出すぎたのと画面がだいぶ見えなくなって惜しかったので切りました。左側のトラッキングを煙突下パーツがまだ遮っているので、今後があれば改良します。

左右の三角の鏡面は、この場合は不自然なのでもっとマットでも良いかなと思いました。これも今後があればプリントします。

で、ここまででプレイすると……わるくはないのですが、ELF-SR1 の全力を引き出せていない感がしました。上方にもっと立体的な表示ができるボリュームがあるのに、キャラが小さく床面付近しか使えていないようです。

というわけで、「アメを落としてから一定時間、ころがりあん同士がぶつかると合体して大きくなる」機能を入れてみました。声も低くなってモーションもゆっくりになります。勢いでやったので公式の生態なのかは審議中です。


これは少し良くなりました。前より立体感を得やすく、ちょっとした面白味にもなりました。

今のところはここまでなのですが、ガイドラインには他にも「メインとなるオブジェクトはこの斜めの物理的なディスプレイ面のどこかに必ずかかるかたちで配置すると良いでしょう。」というものがあります。現状多くのオブジェクトが斜めの物理的なディスプレイ面にかからず奥側なので、ここも改善の余地がありそうです。

他には、ディティールが少ないせいではないかという意見があり、未検証ですがこれもありそうだなと思っています。

Looking Glass と ELF-SR1 について

一言でいうと ELF-SR1 はとにかくきれいですね。Looking Glass は複数人かつ通りすがりでも見られるのがとても良いです。


どちらも

得意

  • 現実世界の「そこにある感」がある
  • 装着がなくて楽(VR HMD や AR グラスと比べて)
  • やってるところを見られても恥ずかしくない(同上)

苦手

  • それほど大きくないので遠くから見えない
  • それほど大勢では見られない
  • 置いてある場所から動かせない
  • 映える写真や動画がわりと撮りにくい

Looking Glass

得意

  • 複数人で同時に見られる(小さいので大勢とまではいかない)
  • 本物のガラスの水槽がある感(これは良し悪し)
  • トラッキングがそもそも不要

苦手

  • 手前と奥はぼやける
  • 左右のスイートスポットがあまり広くない(20 度くらい)
  • 上下の視差はない

ELF-SR1

得意

  • 解像度が高くてきれい
  • 左右端まできれい
  • 手前も奥もきれい
  • 遠景もそこそこ出せる
  • 上下のトラッキングができる
  • 左右のトラッキングが広い

苦手

  • 一人しかちゃんと見られない
  • トラッキングは優秀なものの、開始までの一瞬や、まれに外れることはある(魔法がとける瞬間がある感じ)


おわりに

ELF-SR1 を貸してくださった某氏に感謝!

コメント