白黒イラストを 3D プリントしてコインやキーホルダーを作る方法
これはなに
こういう白黒イラストから
こういうコインをプリントする方法です。
イラストはリアル嫁氏が描いたものです。
(キャラクターはカービィ、サンド、ピカチュウをお借りしています。カエルは完全オリジナルのけろぴっぴですが、けろっぴをリスペクトしているとのことです。)
白黒イラストのプリントのすすめ
「お父さんの部屋にあるなんか高い機械で、揺らすと怒られるやつ」、それが 3D プリンタです。
これでは旗色がわるいので、ここはひとつ「ぼく / わたしにも使える楽しいやつ」になってもらいます。
モデリングを覚えてもらうのはハードルが高いかもしれませんが、イラストならすぐです。
上の元絵はデジタルで描いてくれましたが、紙とマジックでも大丈夫です。仕上がりが不安ならこっそり白黒 2 値化してあげましょう。
線が細くなりすぎないようにだけ気を付けてもらうとよいと思います。
導入当初からこの活動を行っていた甲斐もあってか、家庭内通貨の製造依頼は嫁氏の方から来ました。ヤッター
方法
FlashPrint だけ使う方法
FlashForge のプリンタ用スライスソフト FlashPrint (https://flashforge.co.jp/support/) は、グレースケール画像からモデルを作ってくれる機能があります。
STL や OBJ を吐けるので FlashForge のプリンタ以外でも問題なく使えると思います。(うちは Adventure3 を使っています。)
バージョン 4.2.0 現在、ロード > 画像を選択するだけで OK です。
完成です!もう何も書くことはないですね。
……コイン状にしなくてもよければ実際もう完成で、とてもお手軽です。
コイン状にしようとすると、ベースの厚さを 0mm にできないうえ、画像の周囲を透明にしても黒と判断されてしまうため、一手間必要です。
画像の中にグレーを流してやり(周囲は透明でなく白です)、
ベースの厚み + 0.1mm くらいの Z 平面でカットし、
下の板を捨てれば今度こそ完成です。
かんたん!
あと 2 種類方法があるのですが……元絵が白黒(グレースケールでなく 2 値)ならこれが一番おすすめの方法なので、飛ばしてしまっても大丈夫です。
FlashPrint + Blender を使う方法
元絵にグレーを流さずに FlashPrint でロードし、ベースありの状態で STL で保存し、Blender でインポートします。
編集モードに入り、ベースの面をひとつ選択してから、Select > Select Similar > Co-planar (同一平面状) します。
画像内を選択解除します。ここでは一度 X-Ray 表示にして、真上視点から Shift + 円選択で選択範囲を引きます。手動なので正直ちょっと面倒です。
選択した面を削除したあと、ベース背面と四辺が残るのでそれも削除します。
コインの底の厚みがゼロなので厚みをつけていきます。
コインのフチの辺をひとつ選択してから、Select > Select Similar > Amount of Faces Around and Edge (隣接する面の数) します。
G, Z, -1 などで下方向に移動し、好みの厚みをつけます。
F で面を貼り、Ctrl + T (Face > Triangulate Faces) で三角化します。
完成です!
あとは STL エクスポートしてプリントします。
Blender だけを使う方法
Blender でイラストをメッシュ化する方法です。
元絵のピクセル数と同じくらいの平面を作っていきます。
Shift + A > Mesh > Plane して編集モードに入り、ループカットで縦横を切ります。今回は画像が 1662 x 1031 だったので、上辺付近で Ctrl + R > 1661 (1662 - 1) しました。縦も 1030 (1031 - 1) して格子状にカットします。
オブジェクトモードで Add Modifier > Displace します。テクスチャを New してイラストを開きます。
Midlevel を 1 にして、Strength をほどよいマイナスの値(ここでは -0.05)にします。
オブジェクトモードで元絵のアスペクト比と同じ比でスケールを入れます。
Displace モディファイアを Apply してから編集モードに入ります。
ベースを削除してから底に厚みをつけていきますが、ここからは「FlashPrint + Blender を使う方法」と全く同じです。
……完成です!
キーホルダー
だいたい同じ方法で作ったキーホルダーです。元絵をグレー 4 段階くらいにして厚みに差をつけています。
余談
この形状でもラフトなしだとたまに失敗したのでラフトありで落ち着きました。
あと透明フィラメントを使うときは充填率 100% にすることを学びました。ハチの巣になりました……
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